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■アパレル販売員の接客技術■
第1章 購買心理8段階(前編)
皆さんこんにちは!スプレッドファッションイズム、高橋です。
今回から始まりました、アパレル販売員の接客技術講座、初回となる今回は購買心理8段階についてレクチャーしていきます。
1.購買心理8段階って何よ?
購買心理8段階とは難しく言うと心理学になるのですが、皆さんのお店にいらっしゃってるお客様は一定の心理ステップを経て購入に至っています。
これを知らないと当てずっぽうや闇雲にトークする事になります。
そうするとしゃべり過ぎてウザがられたり、トークが的外れだったり、購入しようとしたお客様がやっぱり購入を止めちゃったりします。
更に、これは売れてる販売員は全員一致する意見だと思いますが、しゃべり過ぎる販売員は売れません(笑)
話が長いとか、一方的にマシンガントークでしゃべってるとかいうものです。
売れる販売員は共通して話すスピードが速い事が多いですが、話す量は短いです。
つまり必要な事を必要な時に必要なだけ話しているので、無駄が無く短い時間でお客様が購入に至るのです。
お客様目線で考えても、興味ない話をダラダラと長時間聞かされるより、知りたいことを簡潔にズバッと言ってくれて短時間で買い物が済んだ方が良いと思いませんか?
でも、その必要な事やタイミングが分からない……ですよね。
そこで購買心理8段階を理解できれば、接客での無駄が省かれて自分もお客様もhappyになりますよ♪
先ずは購買心理の8つの段階とそこで販売員は何をすべきなのか?を追って説明していきます!
2.購買心理8段階と販売員の対応例
【1】注目(attention)
先ず一番初めの段階です。
通路を歩いているお客様がお店の何かに目が止まり、目が止まる→足が止まる。がこの段階になります。
販売員はまだアプローチしていない、いわばゼロアプローチの段階になります。
お客様からの注目を増やすための努力として、VMDやPOPの工夫と整理整頓。
販売員は入りやすい雰囲気づくりのために、自分の着用の工夫・身だしなみ。活気づくりのためにニコニコキビキビが基本です。
ギャルショップでありがちな明後日の方向向いての「いらっしゃいま~せ~~!」は毛嫌いする方が多いし入りやすくはなりません。
「いらっしゃいませ」は個人に向けて心を込めたパーソナルな挨拶に変えましょう!
【2】興味(interest)
注目したものに興味を持ち確認しようとする段階です。お客様の心の中は
「どんなデザインになってるんだろう」
「どんな手触りの素材なんだろう」
「このデザインかわいいな」
「この色良いな」
等の興味を持ってる段階です。
販売員はここがファーストアプローチの段階になります。
興味を持って注目しているお客様に対して、“心”、“身体”、“言葉”で近づきます。
(例)「きれいな色ですよねー」
「かわいいデザインですよねー」
「素敵なシルエットですよねー」
等。
よくありがちな「良かったら広げてみて下さい」「良かったらご試着できますんで」「良かったら色違いもありますんで」はNGです。お客様は嫌な気しかしません。
このNGトークをこのタイミングで言ってしまうと、お客様の心が離れて体も商品から離れて行ってしまう事が多いです。
アプローチのタイミングの基本は、お客様の目・足・手が止まった瞬間です。
更に、もしお客様と目が合う瞬間があったとしたら、それは最高のアプローチのタイミングです。
【3】連想(remind)
興味を持って注目していた商品に対して、使用イメージを思い浮かべている段階です。
「機能性はどうかな?」
「耐久性はどうかな?」
「どんな着こなしが良いかな?」
そして何より「自分に似合うかな?」
等がお客様の心の中です。
これに対して販売員はご試着からの商品のセールストークの段階になります。
ご試着を促す言葉はお店のグレードや雰囲気にもよりますが「ご試着されてみますか?」等の堅苦しいものや試着するか聞く形よりも、「着てみましょうか」「おサイズお持ちしました」等の販売員主導の形が良いです。
加えてこのセリフはハンガーから洋服を外しながら言った方がより効果的です。
「試着しますか?」→「はい、します」→ハンガー外す。ではなく、
ハンガー外しながら「着てみましょうか」で、いつの間にか着ちゃった。の形が良いです。
何故なら、「試着しますか?」だと「大丈夫です」と言われやすいからです。
加えて、試着前にダラダラと商品のセールストークをするのもNGです。
理由は『百聞は一見に如かず』と言葉の通り、四の五の言うよりも着せちゃった方が商品の良さが100倍分かるからです。
【4】欲望(desire)
お客様の使用イメージが第三者の使用イメージから自分の使用イメージに変わった段階です。
“自分が着たらこうなる”、“自分が使うならこう使う”のイメージが湧けば湧くほど欲しくなります。
ここで販売員は元々お客様が持っていたニーズの聞き出し等をします。
そしてそれを「でしたら…」「お客様でしたら…」へと繋ぎます。
(例)「父兄参観用のジャケットをお探しだったんですね。このジャケットでしたら合いますよ。例えばこういったスカートを合わせればバッチリです!」
「暑くなってきたから早めに夏物をお探しだったんですね。このカットソーでしたら夏涼しく素敵に着れますし、涼しい時はこんな感じの羽織もののインナーにすれば今すぐ着れますよ!」
等。
コーディネート提案は積極的にしましょう。1点だけでダラダラとセールストークをするのは面白くありません。
お客様は“どうやって着たらかわいいの?”の情報はいくらでも欲しいのです。
その合わせるものが似たのを持ってたらそれで合わせようと思いますし、持ってなければ予算と相談してそこまで買うか考えるだけです。
また、販売員がコーディネート販売を狙って商品を持ってきた時に、似たものをお客様が持っているというパターンがあります。
その時はセットに繋げられなくて残念そうな顔をせずに、
「それなら持ってるので合わせられますね、良かったですね!!」と
満面の笑みで言いましょう。
お客様が販売員を信頼するかどうかは、実はこういった時の販売員の心の底が見えた瞬間だったりします。
今回はここまでにします。
残りの5~8は次回レクチャーしていきますので、しばしお待ち下さい♪