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■アパレル販売員の接客技術■
第1章 購買心理8段階(後編)
皆さんこんにちは!スプレッドファッションイズム、高橋です。
アパレル販売員の接客技術講座、2回目となる今回は購買心理8段階について前回の続きからレクチャーしていきます。
【5】比較検討(comparison)
お客様は“欲しい”という欲望が高まると、購入にいたる前に一旦冷静になります。
「本当にこれでいいの?」
「他に良いのあるかな?」
「他のお店の方が良いのあるかな?」
「この買い物失敗じゃないよね?」
「一旦家に帰って考えた方がいいかな?」
等がお客様の心の中にあります。
お客様から販売員に対しての質問が増えるのがこのタイミングでもあります。
キャリアの浅かったり自信がが無い販売員は決まりそうになったものがグラつき、焦って余計な事を言ったり妙に強引に決めようとし過ぎて、結果お客様に「ちょっと他も見てみます」と言われがちです。
他のお店に良い商品が無かったり良い販売員が居なければお客様は「やっぱり、さっきのに決めました~」と言って戻ってきて下さいますが、他のお店に良いのがあったり良い販売員がいれば、そっちでお買い上げになります。
どこでいつ買うかはお客様の自由なのです。
ここは、本当に迷ってるのではなく“欲しくなればなるほど迷い出す”という人間の心理だと理解して、自分のお店の似た商品を持ってきての比較トークで
「こっちはここがこうなのでこーゆー使い方が向いてますが、こっちはここがこーなのでここが違います。」や
「他のお店だとこーゆーのが多いですが、これはここが違います。だから○○なお客様に合ってます。」等と、
・その商品が他と比べて何が違うのか?
・その違う点がお客様に合っている。だからこれが良い
を伝えていきましょう。
そのためにも、自店の商品の商品知識も大事ですが、小まめに競合ブランドの商品のチェックも怠ってはいけません。
お客様のこだわりや気になっている事を取り除くために、肯定的かつ的確なアドバイスと新しいものへと挑戦する提案が必要になります。
ここで気を付けたいのは言葉遣いです。
「多分~~」や
「~~だと思います。」はNGですので気を付けましょう。
【6】信頼(confidence)
【5】の比較検討で検討した結果、お客様が「これなら間違いない。」「買って大丈夫。」と判断した段階になります。
信頼には3つの項目があり、
①お店(器)への信頼
このお店なら,あるいはこのメーカーのブランドならば大丈夫であろうという信頼。
②商品(物)に対する信頼
この商品なら自分の好みにぴったりであるとか,これなら間違いない商品だという信頼。
③販売員(人)に対する信頼
自分の要望をよく聞いて商品を選んでくれて、またそれを自信を持って薦めてくれる販売員なら間違いないだろうという信頼。
の3つです。
そのために販売員は“自信を持って提案する事”、“お客様に納得してもらえる説得力”、“自分の意見をはっきり言う事”が大事です。
【7】行動決定(action)
お客様が購入を決めた段階。具体的に言うとお客様が販売員に対して「これ下さい。」と言った、購入の意思表示をした段階です。
販売員はクロージングとお会計等に入ります。
お客様の「これ下さい。」に対しての感謝の言葉、レジ操作、カスタマーズ作成、商品のお直し、お手入れ方法の説明、お客様と親しくなれるプライベートトーク等。
ここに関しても販売員によってレベルの差があります。
ここで気を抜くと「やっぱ止めた」の大どんでん返しや、「今回は買ったけど次は来ないな。」になってしまいます。
ミスなくテキパキやる事も大事ですが、お客様を知るための質問や自分の事を話すパーソナルな会話をする事で、お客様は次回ご来店しやすくなります。
カスタマーズを頂けた場合は会話の内容をメモして覚えておいて、次ご来店頂いた時にその会話をするとお客様は「自分の事を覚えていてくれた。」と予想を上回る感動を感じて頂く事に繋がります。
【8】満足(satisfaction)
お客様が「今日は良い買い物をしたなあ。」と満足感を感じている段階になります。
お客様が満足感を感じるには商品自体に関する満足と販売員に対する満足の2種類あります。
販売員は最後まで気を抜かない事。
最後に“再度感謝の言葉”、“次回ご来店のお約束”、“気持ちの良いお見送り”をしましょう。
いかがでしたでしょうか?
以上がお客様の購買心理8段階の説明と、その時の販売員の行動と注意点です。
最後までちゃんと理解できると、“興味”の段階で比較検討の商品持ってきてたからダメだったんだなあ。とか”欲望“の段階でお客様への質問聴き出す事が足りなかったから迷わせてしまったんだなあ。等が分かります。
そして、最後に最も重要なのが販売員の“素直な気持ち”です。
イマイチ売れない販売員にありがちなのが「いや、私は今までこのやり方でやってきた。私は間違ってない。」といった変なプライドです。
確かにここに記載した以外の販売のテクニックは沢山あります。
でも逆に言うと、例えば販売員がメチャメチャダメダメだったとしても、お客様がどうしてもそれが欲しければお客様は買ってくれたりもします。
問題は“販売員はダメだったけど商品は気に入ったから買った”だけなのに、“買ってくれたんだから、この接客で大丈夫”と勘違いしてしまう事です。
私は接客に100点のperfectは存在しないと思っています。
何故ならお客様が100人いたら100通りの趣向がありますし、そのお客様がどのぐらいお買い上げ頂くかの金額に上限は無いからです。
まだダメ、まだ足りない。という向上心でよりbetterにしていって限りなく100点に近づけようとする努力によって、お客様の満足~感動へと繋がっていきます。
「自分は大丈夫。」と思ってるうちはまだまだな証拠なんだと思って、日々お客様のために一生懸命努力を続けていきましょう!!!!!