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■アパレル販売員の接客技術■
第11章 VMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)
皆さんこんにちは!スプレッドファッションイズム、高橋です。
コラム11回目となりました。
なんと、間違えて第5章を2回やっていたので、前回が本当は第9章ではなくて第10章でした。代わりに今回お祝いします(祝)ワーワーワー☆
今回は、アパレル販売員がつまづく事が多い、VMDについてレクチャーしていきます。
1.VMDって何?
先ずはVMDの意味についての説明からします。
VMDは美窓のDAI語…ではもちろんありません。
ヴィジュアルマーチャンダイジングの略です。
ヴィジュアルマーチャンダイジングとは、MD(マーチャンダイジング)=商品の計画を目に見えるように視覚化する事、商品の企画や意図をお客様に見せる事です。
単にディスプレイや陳列の事だけを指すだけでなく、お店の前を通りかかる人に“呼びかける声”をヴィジュアル化し、お客様の「キレイ!」、「かわいい!」、「欲しい!」を引き出す事です。
お店にいると逆に何でもかんでもVMDと呼び、「この棚の上のVMDやっといて~。」とか言われたりしますが、この場合は普通にディスプレイと呼ぶのが正しいです(笑)
2.MP(マーチャンダイズプレゼンテーション)
次にMPについて説明します。
MPとはマジックポイントの略…では勿論ありません。
マーチャンダイズプレゼンテーションの略です。
MPは3つの要素から構成されています。その3つとは
①VP
②PP
③IP
の3つです。
①VP…ヴィジュアルプレゼンテーションの略。一番の見せ場所、SHOPの顔。主にお店のショーウィンドウやそれに準ずる場所を指します。
ここでは“売る事”よりも“魅せる事”を重点に。SHOPのコンセプトやシーズンテーマがお客様目線で誰でも分かるようにする事が重要です。
②PP…ポイントプレゼンテーションの略。VPの次の見せ場所。単体のトルソーや棚上の半身トルソー、柱周りや壁面の演出等。
IPの中から特にピックアップしたいものをPPに使って演出する。
このコーナーの代表商品を飾る事で、このコーナーが何のくくりなのかを知らせる場所。
③IP…アイテムプレゼンテーションの略。売り場所。お店の8割はIPになります。実際に商品が陳列されている棚やラック等になります。
色・デザイン・サイズが分かりやすく、十分かつ適度な数量がある事、手に取りやすく買いやすい陳列である事が大事です。
3.VMDのポイント
①ゴールデンスペース
お店にはゴールデンスペースと言われる場所があります。それは簡単に言うとお客様の目線がいきやすい場所になります。
それは高さ60㎝~1.3mの高さになります。そして、それはお客様の目の高さより少し下~胸の位置になります。
ラックや棚の場合、この高さに商品を一番売りたい(見せたい)商品を持ってくるのが一番良いです。
一般的にこれより下の0~60㎝の場所はストックスペースと呼ばれ、棚を作ってゴールデンスペースにハンガーで掛かってる商品の他のサイズを畳んで置いてあるか、引き出しにして在庫をストックするスペースに適しています。
逆にこれより上の1.3m以上の場所はサインスペースと呼ばれ、ゴールデンスペースの関連商品を同じように展開するか、棚にして飾り用のディスプレイを置いたり、半身トルソーを置いたり、ポスターを置くのに適しています。
②ブランドマニュアルの順守
今はほとんどのお店でブランドのVMDの指針となるマニュアルが作られています。
これに対してお店がこのVMDマニュアルを軽視してVMDを組んでいる事がありますが、これはダメです。
これはYESMANになれという事ではありません。今回の話を聞いた人なら分かると思いますが、MDやVMDマニュアルは意図があって作られています。MDをヴィジュアル化する事がVMDの一番大事な事ですので、ここを軽視するとMDのヴィジュアル化からは遠く離れてしまいます。
ただし、ブランドのVMDは一度設定された後、何年も改正されていないケースもあります。
店頭スタッフの話を全く聞かずに設定されたケースもあります。
もしも、VMDマニュアルに納得いかない点や、守った方が悪くなると感じた点や、変えた方が良いと感じた点があれば、それを守らないのではなく担当窓口と納得するまで徹底的に話し合う事が大事です。
前記したような場合がありますので、あなたの案が新しいマニュアルになる事もあると思います。
本来、マニュアルとはこうやってその都度改正していくのが正しい形だと私は思います。
ところが実際は、言われたことを盲目的に続けたり、疑問に思いながら愚痴を言いながら我慢して続けたり、勝手に無視して取り組んだりする事が多々あります。
こういった悪しき習慣は今日で終わりにして、全てに対して正面から向き合っていきましょう♪