こんにちは!
スプレッドファッションイズムの高橋です。
今までは、それぞれの素材についてお伝えしてきました。
実際に洋服を作る時、一つの素材でだけでなく、複数の素材を使って洋服を作ることが多々あります。
今日はその複数の素材を混ぜて使う、混紡と三者混(さんしゃこん)についてのお話です。
混紡と三者混
混紡とは
素材の原料は1種類だけで使う場合と2種類以上混ぜて使う場合があります。
素材を混ぜて使う事を混紡(こんぼう)と言います。混ぜて使う理由としては
・各々の素材のメリットを生かして、各々の素材のデメリットを補うため
・見た目の風合いの変化
・コストを抑えるため
等があります。
混紡の例とその効果
■例① 綿/ポリエステル
綿は吸湿性と肌触りは良いけれど、逆に乾きにくくシワになりやすい場合もあります。
ポリエステルはその逆なので、両方が合わさると吸湿性と肌触りがある程度良く、乾きやすくシワになりにくい素材となります。
■例② アクリル/ウール
アクリルは縮みにくく洗濯しやすいけれど保温性や質感がウールより劣ります。
ウールはその逆なので、ある程度保温性と質感があり、洗濯しやすく型崩れしにくい素材となります。
■例③ 毛/ナイロン
元々保温性のある毛に軽くて強度と光沢感があるナイロンを加える事で、暖かいのに軽くて強度と光沢感がある毛素材となります。
■例④ カシミヤ/毛
カシミヤが入っているので毛より肌触りが滑らかで柔らかく、毛を混ぜているのでカシミヤ100%のものより毛玉になりづらく、価格を抑えめに出来ます。
三者混とは
三者混とは名前の通り、3種類の素材を混紡したものの事です。
近年、2種類を混ぜた二者混よりも三者混・四者混が増えて来ています。増えている理由は、
・素材や生地の開発が進み、より複雑な混紡でより高性能な生地や風合いの良い生地が作れるようになった。
・天然素材の価格の高騰により化学繊維を混ぜて使う事が増えた。
等です。
三者混の例とその効果
それぞれのデメリットを補ってお互いの長所を引き立てるのは二者混と同様に変わりません。
■例 ウール/絹/麻
・麻100%よりシワになりにくい
・ウール100%より清涼感のある肌触り
・絹100%より扱いやすくなる
・麻のカジュアルな風合いにウールの暖かみと絹の上品さが加わる
素材は混ぜた方が良いのか?
混ぜれば混ぜるほど良い所ずくめのような感覚になりますが、決してそういう訳ではありません。
逆に1種類の素材100%で使う場合、その素材の良さがトコトン特化するメリットがあります。
例えば毛100%なら一番暖かいですし、麻100%なら一番涼しいです。
『それぞれの素材の特徴を知り、用途を考えて合っているものを選ぶ』というのが正しいです。